整形外科
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など
代表的な疾患には、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症に合併する圧迫骨折、脊椎脊髄損傷、頚椎症、頸髄症、脊椎すべり症、脊椎脊髄腫瘍、後縦靭帯骨化症、脊椎管狭窄症などがあります。
治療をするにあたり、原因を明確にして診断することが大切です。レントゲンの他に、CT、MRIなどが有用です。
治療にはコルセットなどによる装具療法、物理療法、運動器リハビリテーション、薬や注射による薬物療法などの保存療法と、手術による治療があります。
中年以降、特に50歳代に多く見られます。
関節を構成する骨、軟骨、靭帯や腱などが老化して肩関節の周囲に炎症や癒着が起きることが主な原因と考えられています。
急性期にはまず安静を図り、消炎鎮痛剤の内服、肩関節への注射が有効です。急性期が過ぎてからホットパックなどの温熱療法、また拘縮予防や肩のインナーマッスル(筋肉)を強化するための運動療法を行います。
椎間板とは首の骨と骨の間にあるクッションの役割をはたす軟骨で、これが痛んで椎間板が脱出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。第5・6頚椎間、第6・7頚椎間、第4・5頚椎間の順に多くみられます。頚部や肩の痛みが主ですが、脊髄症の場合は手全体や下肢の麻痺、しびれを生じ、神経根症の場合は片方の上肢に放散する痛みやしびれ、麻痺を生じます。痛み止めの内服薬、理学療法、ブロック注射などを患者様の症状にあわせてご提案させて頂きます。
関節リウマチによって脊椎に症状が出現したものがリウマチ性脊椎炎です。関節リウマチでは椎間板が狭くなりやすく、脊椎の後方の椎間関節も変形しやすくなるため、変形した骨が脊髄を圧迫することで手足に痛み、しびれ、麻痺などを生じます。関節リウマチがあり、頸部痛、手足のしびれがある時は必ずご来院いただき、頚椎のレントゲン検査を受けてください。早期診断、早期治療が重要です。
同じ姿勢で長時間仕事をした後などに、首や肩や肩甲骨のあたりに、おもだるさや張りを感じることを肩こりといいます。原因は主に筋肉の疲労です。同じ姿勢を続けるために、首まわりから肩にかけての筋肉の血行が悪くなり、筋肉に老廃物の乳酸が溜まり、重だるさを感じます。普段からの姿勢に注意し、お薬や運動療法、理学療法を行うことで改善することが多いです。
腰痛は、男性では1番目、女性でも肩こりに次いで2番目に多い症状です。腰は、腰椎と呼ばれる5つの骨が積み上げられて構成されています。腰痛の多くは、椎間板、椎間関節、筋肉、神経に障害が起きることで発症することが多いですが、その他さまざまな原因で起きることがあります。
3ヵ月以上続く腰痛を慢性腰痛といいますが、その中で原因がはっきりしない腰痛を非特異的腰痛といいます。不安やうつ病、仕事や家庭のストレスによる社会的・心理的要因で痛みを脳で感じてしまうこともあります。
また、最近では慢性的な痛みの刺激が、脳から脊髄に向かう痛みを抑える機能である「下行性疼痛抑制系」に異常をきたす『末梢神経障害性疼痛』という病態も注目されており、さまざまなお薬が開発されています。
腰痛の原因は複雑なことが多いため、まずはお気軽にご相談ください
重いものを持ったり、急な動作によって突然腰に痛みが走ったり、場合によっては動けなくなってしまう病気です。中世のヨーロッパでは「魔女の一撃」と表現されているように強い痛みが特徴的です。腰の筋肉や関節が原因であることがほとんどですが、骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折、細菌感染による化膿性椎体椎間板炎、腰の骨に癌が転移して起きる転移性骨腫瘍などとの鑑別が重要なため、少し動けるようになったら早めの受診をおすすめします。
治療法としては痛みを軽減するためにコルセットや消炎鎮痛剤の内服薬を処方したり、リハビリで電気治療や温熱療法などを行います。症状がひどい場合は腰のブロック注射を行うこともあります。
腰の骨と骨の間にはクッションと関節の働きをする椎間板があります。
急に重いものを持ち上げたり、常に中腰での作業が多い仕事であったり、長時間座りっぱなしの仕事が原因で、急性にあるいは慢性的に椎間板が痛んできます。傷んだ椎間板が神経の方に突出することで神経を圧迫して、腰痛や坐骨神経痛(お尻の部分の痛み)あるいは下腿痛(ふくらはぎの痛み)を生じます。腰の骨は縦に5つ並んでいますが、第4・5腰椎間の椎間板に起きることが最も多く、その次に第5腰椎・第1仙椎間に多く見られます。
治療は一般的に腰に負担をかけないように安静にすることが重要です。症状が強い場合は薬物療法、コルセット、リハビリ、ブロック注射等を症状に合わせて段階的に行います。日常生活に支障をきたす程の強い痛みや足に麻痺症状がある場合には手術が必要になることもあります。
一般には高齢の女性に多くみられますが、膝周囲の骨折や半月板損傷、靭帯の損傷後にもおきます。主な症状は膝の痛みと関節に水がたまることです。初期には立ち上がり、歩きはじめなど動作の初動時に痛みを感じ、休めば痛みがとれます。中期には正座や階段の昇降が困難となり、さらに症状が進行すると安静時にも痛みがとれず、変形が外観上も目立ち、夜間に痛みで目を覚ますことが頻回になります。
初期には痛み止めの飲み薬や外用薬を使用したり、ヒアルロン酸の関節内注射や筋力トレーニングなどの運動器リハビリテーション、装具使用などの保存療法で改善させることが出来ます。保存療法で痛みが取れない場合、関節鏡手術、骨切り術や人工関節などの手術療法が必要となることもあります。
関節リウマチの初期の症状はこわばりや腫れと痛み、発熱などです。関節以外にも全身倦怠感、痛みなどの症状が現れることがあります。病気が進行すると関節の軟骨や骨が破壊され、関節の変形に伴う屈曲拘縮、強直、脱臼といった重い症状が出るようになります。かつてはステロイド剤による内服治療がメインでしたが、今は生物学的製剤の発展より完全寛解まで至るケースもありますので、早期診断・早期治療が重要です。